上司の立場になって考えるよりも大事なこと
リーダーの育成のひとつとして、「中堅社員は管理職の立場で日ごろから考えて仕事をする」とか、「管理職は経営者の立場で考えて仕事をする」とか言われるのを聞きます。
私も、以前はそのとおりだと思っていたのですが、10年ほど前から考えを改めました。
もちろん、そういう上位の立場で物事を見て考え、判断することができる人も稀にはいます。
でも現実にはそういう方は極めて一握りの方です。
たとえば独立心が旺盛で経営者目線でビジネスを見て学んでいるような方とか、そもそもリーダーの適正がずば抜けて高い優秀な方とか。
上司の立場で考えて行動することが難しいのは、まったく経験がないことと、実感がわかないと自分のこととして理解しにくいからです。
「考える」よりも大切なのは、できるだけ様々な上司や経営者と話をして、何を考えてどう判断し行動しているかを「聞いて学ぶ」ことかと思います。
私の知っている経営者で、誰もが知る大手商社の元副社長の方から、「周りに嫌われている役員には自分から話を聞きに行った」という経験談を聞きました。
その理由は、「嫌われ者だからこそ話を聞きにいけば、喜んでくれるから」とのこと。
話を聞けば、嫌われている人でも成功した理由は自分に活かせるし、嫌われている理由は反面教師として活かせるともおっしゃっていました。
経営の本を読むのも大事ですが、やはり自らその立場の方から直接学ぼうとする姿勢が一番重要で、実践すれば大きな効果があると思います。
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