2018/10/23
一を言ったら十分かる部下
ある会社の経営役員たちに、求めるリーダー像をヒアリングしていたときのこと。
何人の方から、「役員の俺が一を言ったら、十も二十も分かるようなリーダーでなきゃダメだ」と言われたことがあります。
だいたいそういう方はアイデアマンで、いろいろなアイデアを出しては部下の部長たちが右往左往するといった状況でした。
結構大変な要求ですが、自分も部下がなんでも先回りしてやってくれると仕事が楽でホントに助かっていました。
なので、その役員たちの気持ちもよくわかり、「想像力と想像力。それに洞察力の高い人材ですね」なんていい加減なことを答えていました・・・反省・・・
まぁ間違ってはいないのですが、大事なポイントは人材要件というよりは育成のポイントとして捉えないといけないということです。
「一を言ったら十分かる」ではなく、「一を聞いて十を知る」力を育てるということです。 前者は上司目線ですが、後者は部下本人の目線です。
「一を聞いて十を知る」という力を伸ばすためには、そのための育成方法や仕事の環境を提供することが不可欠です。
そういう教育も環境もないのに、「一を言ったら十分かる」部下を求めるのは、矛盾としか言いようがありません。
当然、「一を聞いて十を知る」という力を伸ばすには時間がかかり、繰り返し経験し学習することが重要です。
でも、残念ながら「すぐにそういう人材が必要だ」という経営者の下では、結局はそういう人材はいつまでたっても育たないことに・・・。
求められる人材像といっても、それが選抜ポイントではなく育成ポイントだったりするので、奥が深いなぁと実感しています。
前の記事 : 80歳を過ぎても働ける会社?!
次の記事 : BLOGコーナーを新設しました。旧ブログを閲覧されたい方はこちらへ