研修の中でよく、コミュニケーションを見直す意味で、「価値観を一つにまとめる」合意形成のグループワークを実施しています。
これは、仕事や人生において大切なものを幾つか提供し、各自が自分にとって大切な順に順位をつけ、グループ単位でしっかりコミュニケーションを図りながら、バラバラの回答を一つにまとめるというものですが、気づきの多いグループワークで、実体験で様々な事を感じ取ってもらっています。

このワークを振り返った時に一番多い気づきが、「同じ言葉でも、人によって捉え方が違うのですね。相手の話をきちんと聴くと、『そうとも考えられるな』や『そう捉えるとなるほど納得』などと思えます。」
「誰も相手の話を『否定しない』というルールの中での話し合いなので、気持ちよく自分の考えを伝える事が出来、他の人の話もしっかり聴くことが出来ます。」等です。

例えば「お金」というキーワード、幼い頃から「お金に執着するんじゃない」と育てられた人にとって、「お金」を人生で一番大切と考える人が目の前にいると、相手の話も聞かず、勝手に「あり得ない、お金に汚い人」とレッテルを貼るかもしれません。

でも、相手の話をしっかり聴くと、「母親が一人で苦労しながら自分を育ててくれた。だから、お金を稼いで母を楽に生活させたい、孝行したい」という意味を知ることが出来るかもしれません。それでも「お金」を一番とする人はあり得ない人でしょうか？

人は其々、言葉に勝手な意味づけをしがちで、他人も同じように捉えていると思いがちです。
今まで上手く行かなかった関係性の相手もいると思います。でも、その相手に対して、自分の捉え方だけで条件反射の様に反応してしまってはいませんか？相手の本音や考え方を最後までしっかり否定せずに聴き、自分の思いもしっかり伝えた上での現在の関係性ですか？

コミュニケーションが苦手という人は、上手く喋れない、とか口下手だから、人見知りだから、を理由にしますが、このワークをしていると、コミュニケーションで大切なのは、相手の話を否定せず最後まで真剣に聴く事、相手の気持ちを受け止める事に始まるのだと実感します。

人が変われば、考え方も言葉の捉え方も違います。
是非、しっかり相手の話や気持ちを否定せずに聴き、お互いの理解を深めていって、良い人間関係を作ってください。

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